educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

学力のフタコブラクダ化

「学力のフタコブラクダ化」この言葉をご存知でしょうか?
教育実践家である藤原和博さんが唱えている、現在の学校教育の問題提起として概念です。
今日はこの考え方についてのご紹介です。

 

「学力のフタコブラクダ化」とは、現在の子どもが勉強の「得意な子」と「苦手な子」の2つに分かれているとする考えです。極端な例になりますが、5段階評価でいう4以上の生徒と2以下の生徒に分かれてしまい、3の生徒がいなくなっているという状態です。
あまり良い表現ではありませんが、いわゆる「普通」の子がいないということです
「得意な子」は、塾に行って、学校の内容を既に学び、学校の授業が簡単になっている層です。
「苦手な子」は、自分の学年以前の内容でつまづいてしまい、今行われている学校の授業についていけてない層です。
例えば分数。異分母の足し算引き算や、分数の割り算が理解できていないまま、中学生になってしまい、数学がついていけなくなったような生徒です。

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(参考:https://diamond.jp/articles/-/82450?page=5


子どもが多くいた昭和の後期にも、もちろん「苦手な子」はいました。しかし、今以上に「みんな同じ」が強く、3の学力の生徒が多かったために、3という平均的な授業を行うので、みんなの学力が保たれていました。
塾に行くのは一部の生徒で、学校の授業をしっかり受けていれば3という平均的な得点をとることはできました。
同じものを与え、同じ教育を施し、同じことができる人間が社会の構造的にも求められており、近代教育は大きな成果をあげていました。近代教育とは、工場のラインで働く人間を作る教育です。
みんな「そういうもんだ」と割り切って、とにかく答えが求められればいいとし、いかに早く・正確に・言われている通りにできるかに価値がありました。ぼくも今だからこそ、分数の割り算が、なぜ逆数の掛け算になるのかわかりますが、習った当時では疑いすら持たず、「そういうもんだ」と乗り越えていました。
また、子どもの数が多く、「苦手な子」は比率としては下がってしまいます。

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(引用:https://www.stat.go.jp/data/jinsui/topics/pdf/topics109.pdf

 

今は塾に行って当たり前の時代です。得意な子はどんどん先取りを行い、学校の授業が簡単になる。苦手な子は学年が上がるにつれ、高度になっていく教科の理解ができなくなり、得意な子との差が大きくなる。
フタコブラクダ化が起きている状態で平均に向けた授業は、誰のためにもなりません。

 

ではどうすればいいか。
藤原和博さんは、「得意な子」が「苦手な子」に対して教えるという時間を作ればいいと提案しています。
人に教えるのには3倍の理解が必要だと言われています。それは、自分が教える立場になってよくわかりました。実際に3倍、それ以上の知識理解は必要です。
「得意な子」は自分の理解の甘さを痛感し、さらに学ぶようになる。
「苦手な子」は自分の理解度に合わせて進められるので、少しずつできるようになる。というロジックです。

 

「誰かに教える」ということはラーニングピラミッドを考えてみても、非常に効果のある学習方法です。(ラーニングピラミッドについては下の記事を参考にして下さい。)

 Education Salon OSAKAでも生徒に友達に質問されるようになろう。そしてその質問にしっかり答えられるようになれば、しっかり理解できていると判断できると話しています。
友達からの質問は自分にとっても成長するチャンスです。

 

高度に発達した社会では社会人になるまでに身につけなければならない学力は過去のものよりもはるかに増えています。
週5日6時間の授業では学びきれません。学校が叩かれることは多いですが、学校だけが原因ではなく、社会全てに原因があります。
ほんの5年前に、今の世の中がイメージできましたか?マスクが足りなくなって、メルカリでマスクを売ることを規制する未来が見えましたか?
未来はどうなるかわかりません。そんな未来を生きるために必要な学力はなんなのでしょうか?
ぼくは「自分の頭で考えられる力」だと思っています。

 

藤原和博さんの著書ではこの本がオススメです。
子どもが読んでも大人が読んでも楽しめるのではないでしょうか?

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