educationsalonの日記

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浪人すると決めた人は今のうちに私立大学の過去問を解いておこう

国公立後期試験も終わり,本格的に2023年入試が終わりを迎えつつあります.

合格された方は,4月の入学に向けて思いを馳せていることでしょう.

また,4月から受験生になる2年生は受験勉強なり,部活動なり,様々な場所で充実していることだと思います.

そして,合格が得られなく,浪人という選択をする人もいるでしょう.そうした方は現在は予備校探しや,学習計画を行っているのではないでしょうか.

春から浪人生活が始まる方は,3月・4月の間に私立大学の過去問を解いておきましょう。

今回はなぜ今のうちのに解いておいた方がいいかについて書いていきます。

 

 

国公立大学志望の生徒は私立大学の過去問を解く時間がない

予備校の高卒コースは夏期講習までの前期の間には基礎固めを行います.

前期授業で基礎固め,夏期講習ではその基礎固めの復習を行って,応用問題への接続を行います.そして,9月の後期授業から本格的に応用問題に触れていくという流れです.

では、過去問はいつごろから解き始めることになるでしょうか?

9月の後期が始まりだした頃ですと,まだまだ応用問題に慣れてないため,1回1回の授業の復習にも時間かかり,過去問をする時間的余裕も精神的余裕もあまりありません.ですので,過去問に取り組めるようになるのは,おそらく10月・11月ごろからになるでしょう.しかし,その頃には推薦入試の出願を考えなければなりません.

今や大学入学者の50%近くが推薦入試や総合型選抜(AO入試)で進学先を決める時代です.推薦入試を受けるべきか,自分の評定平均で出願ができるか,志望理由書といった出願に必要な書類の作成などなど,考えなければならないことは多くあります.

さらに国公立大学は共通テストが必要になりますので,その点数に応じた出願校を何校かピックアップして,それらの過去問を解く必要があります.つまり,第一志望の過去問のみ解いておけばいいということではありません.

普段の授業の復習だけでなく,推薦入試をどうするかを考えなければなりませんし,国公立大学の過去問演習も行わなければならない,そんな忙しい10月・11月に,さらに私立大学の過去問まで解く時間を作ることは難しいでしょう.

    

 

昨年私立大学を受験しましたか?

浪人する方の中には,国公立大学しか考えていなかったために、私立大学を受験しなかった方もいるでしょう。特に早慶クラスの私立大学がない関西では「私大は甘え」と揶揄されるほどで,私立大学の難易度を知らない受験生は多くいます.

「国公立の対策をしていたら,私大なんて通るやろ」

そんなことありません.数学で考えると,神戸大学よりも早慶の方が明らかに難しいです.

私立大学には記述式かマーク式か,また答えのみ書かせる形式かなど,大学ごとに傾向がありますので,きちんと準備をしておかないと不合格になることはよくあります.

また医学部の場合でしたら,私立大学では一次試験で学科試験と小論文,二次試験で面接としている学校が多く,偏差値が高く学科が得意な生徒であっても,二次試験で不合格になることは多くあります.

私立大学も難しいということを経験しているかいないかの差は大きいです.そして,国公立大学の二次試験の受験でも,私立大学の合格をもっているどうかで大きくパフォーマンスが変わります.

私立大学を簡単だと決めてしまうと,過去問を解かなくても大丈夫と勘違いしてしまい,入試本番で難しさを知ることになります.

   

 

予備校の授業は基本的に単元ごとに行われる

単元ごとの学習をしている間には,様々な単元の内容が要求される総合問題を解く力は伸びにくいです.

入試問題では「これは時制の問題です」なんて教えてくれません.自分の持っている知識と経験から,①この問題はどこの単元の内容が要求されているかを判断して,②自分の頭の中から最適な解法を引っ張り出さなければなりません.

①がうまくできない方は,チャート式やFocus Goldといった参考書の問題は解くことができるが,同じような解法の問題であっても,過去問や模試では解くことができないことになります.もちろん,緊張から頭が真っ白になってしまい,何をすればいいのかわからなくなるという場合もありますが.

単元ごとの学習では①の部分がなく,②で必要となる最適な解法を頭の中に入れる作業となります.そのために,入試という総合問題を解く力の一側面しか鍛えられません.

また,数学の場合ですと数学3の学習が本格的に始まるのが後期からという予備校も多くあります.後期になってからも進めなければならない基礎があるのであれば,数学3を含む総合問題の準備をする時間はあまり多くありません.

せっかく入試前に身につけた、総合問題に対する慣れをなくしてしまうのは勿体無いです.

ですので,早めから入試問題という総合問題にあたり,①の力を衰えさせないようにしましょう.

         

 

とはいえ,まずは基礎固めから

今すぐ過去問を解いても手も足も出ない方もいるでしょう.そうした方はもちろん,基礎固めを先に行わなければなりません.

積分の計算がうまくできない方は,入試問題で要求されるような積分を用いる体積計算ができることはありません.そうした方は入試問題にあたる前にまずは積分の計算力を伸ばす,自分のできることを増やす必要があります.

高校生のときに学校で配られた教科書傍用の問題集に掲載されている例題程度の問題が解けなければ,入試問題は解けないでしょう.(もちろんその入試問題の大学にもよりますが)

 

少子化により,18歳人口が減少した今の日本では,浪人してまで志望校に入ろうとする人も大きく減りました.ですので,浪人して頑張ると決めた方はそれだけで立派と言えます.

浪人生は現役生以上に「落ちることはできない」というプレッシャーが強くかかります.しかし,次の受験までの準備できる時間は全ての受験生にとって共通です.推薦入試やAO入試といった知識量の競争ではない入試による入学者は大学入学者全体では50%を超えていますが,旧帝国大学や医学部医学科といった難易度の高い大学では,変わることなく今でも知識量の競争が行われています.

浪人すると決めたこの1年は,人生において,知識を一番詰め込める時間にしましょう.

 

今自分が何をするべきか.

それは現在の能力と志望校によって変わります.この自己分析がうまくできない方は遠慮なくご相談ください.

皆さんのお役に立てる日が来ることを願っております.

       

 

いかがでしたか?

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