「そろそろ過去問解いてみよかー」
どの受験においても一度は耳にするこの言葉.私もこれまでに何度も言ってきました.
毎年のことですが,過去問を解いてみようと言っても,進め方がわからず,最新年度の過去問から解いたり,得意科目のみ先に全部解いたりといった明後日の方向に進む生徒が見られます.
そりゃそうです.各受験において,過去問を解くことが初めてなので,どのように解き進めればいいのかなんて知りませんよね.はじめてやるゲームソフトでダンジョンの攻略方法を知っているわけないじゃないですか.
ということですので,今回は過去問の進め方についてまとめました.
最新年度の問題は取っておこう
赤本(各学校の過去問を集めた本)では,最新年度の問題から掲載されています.
新しい問題集や参考書を手に入れると,多くの場合で最初から進めますよね.それを同じで,赤本であっても最初から進めると,最新年度の問題を最初に解くことになります.
初めて過去問と向き合うわけですので,上手く点数が取れなくて当たり前です.
さらに,最新年度の過去問は1年以内の問題になりますので,上手く点数が取れないとメンタルに大きな影響を与えます.
「よし!いよいよ過去問だ!」とテンションを高めて挑戦したにも関わらず,合格点に届かないことになります.その結果,大きくヘコむことになり,今後の学習のモチベーションが下がることになります.
ですので,最新年度の問題は,取っておいて,過去問を何年分か解いて,その学校の傾向を掴み,対策を練ってから解くようにしましょう.
最新年度とその一つ前は取っておいて,一昨年の問題からチャレンジするのがオススメです.
まずは時間無制限でやってみよう
初めて過去問を解くわけですので,うまくいかなくて当たり前だと上でも書きました.ですので,最初の数回は,合否を判定するための演習ではなく,入試問題の傾向と対策を掴むためのたたき台となります.
たたき台ですので,試験時間を守らなくても構わないでしょう.
制限時間内ならば,ここまで解いて,制限時間を超えて解き進めると,ここまで解くことができたとわかるように答案用紙や問題に記しておきましょう.
どの試験においても,目標は「時間無制限ならば,満点が取れる状態」です.
時間無制限で60点しか取れない問題では,制限時間内だと60点以上が取れることなんてありません.
時間無制限で満点が取れるということは,あなたの持っている知識量でその入試問題としっかり戦えるということを表しています.そして,その次に制限時間内に入試問題を解けるスピードが課題となります.
時間を測って解くのは,過去問という総合問題とその学校の入試問題に慣れてからにしましょう.
傾向が変わったとしても解く価値はある
傾向が変わったとしても各学校が求める学生像,アドミッションポリシーは変わりません.そして,入試問題はそのアドミッションポリシーに従って作成されます.
入試問題は,「私達の学校に入学したいのであれば,こういった問題を解けるようになって下さい」「こういった問題が解ける人材を私達は求めています」というメッセージです.
傾向が変わったとしても,英語がフランス語に変わるようなことはありません.学べることは多くあります.
確かに学習指導要領の改定によって,範囲外となる単元の問題は解く必要はありませんが,範囲外とならない問題であれば,解いておいたほうがいいでしょう.
第一志望の学校は少なくとも5年分は解こう
過去問は第一志望の学校や,受験校だけ解けばいいわけではありません.
受験する可能性がある学校まで広げて解いておいたほうがいいでしょう.
自分が志望している学校であっても,その学校の入試問題と自分との相性がよくないケースもあります.また,自分の志望校よりもレベルは高いが入試問題が自分と相性がいいケースもあります.
この場合,どちらの学校に出願すればいいのでしょうか?
多くの赤本では,5年分の過去問が掲載されていますので,第一志望の学校は5年分の過去問を解くことになるでしょう.受験する可能性のある学校は2年分でも構いません.どのような問題か見ておかなければ,自分との相性はわかりません.自分との相性を調べるためにも,出願校を決めるためにも,受験する可能性のある学校まで過去問演習は行った方がいいでしょう.
そうなると,高校受験の場合でしたら,
本命となる第一志望の学校の過去問5年分:5教科×5年=25回
滑り止めとする学校の過去問5年分:5教科×5年=25回
受験する可能性のある学校(2校として考えると)の過去問2年分:5教科×2年×2校=20回
合計で,70種類もの過去問を解く必要があります.
1日1つ解くとしても,70日,2ヶ月以上かかります.
都道府県に関わらず,公立高校の受験は3月に実施されることが多いですので,公立高校の受験生は12月には過去問演習を始めるようにしましょう.
まとめ
受験生は自分の受験勉強で忙しいので,こうした過去問の解き方といった戦略的な部分までは考慮することができません.また,塾の先生でもこういった過去問の進め方はあまり話さずに,生徒に任せっきりになることも多く見られます.
上記のやり方でなければならないということはではありませんが,過去問の効果的な扱い方の一つではありますので,これから過去問を解く受験生は一度試して下さい.
ガンバレ!受験生!
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