educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

学校が行う放課後学習なんかでは能力がつかない

最近流行っている校内予備校や放課後学習会。
学校の先生が補習という形で行ったり、外部から講師を呼んだり。
ぼくも何回か授業を行ったことがありますが、あまり効果は期待できません。
今日はそのことについてです。

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  • 生徒と学校でニーズがずれている

予備校の先生や塾の先生をお金をかけてわざわざ呼ぶので、学校としては受験対策を要望しています。
しかし、生徒のニーズは定期テストの得点です。
よくあるケースとして学校の授業は数2Bを進めている、学校からの要望は数1Aであるが、生徒のニーズは今学校で学んでいる数2Bを扱って、定期テストの点数を少しでも上げてもらいたいと、生徒と学校で向いている方向が違う場合です。
受験に向けて早期から数1Aの復習をしておくことはいいことですが、生徒にそのモチベーションがなければ成果はあまり出ません。宿題を課しても行わないということになりますしね。
学校は塾や予備校の先生を高いお金をかけて呼ぶわけですので、特効薬を期待しているのでしょう。しかし、学校に受けろ受けろと促されても、その価値がわからなければ、「なんでこんなことしなあかんねん」という感想になってしまいます。

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  • 学校のサポートはロクにない

生徒情報の共有や課題の共有など、生徒にとっていい時間となるように担当講師の方と連携をとればいいのですが、そんなことは行われません。
学校のサポートはコピー機を貸してくれることや、控室や職員室に机を用意してくれる程度です。
進学校になると、むしろ邪険に扱われることもあります。
内部の先生(学校の先生)も外部の先生も「少しでも生徒たちの学力が上がるように、偏差値が上がるように、1問でも解ける問題が増えるように」と向いている方向は同じです。
にも関わらず、水と油のように混じり合うことはありません。おそらく両者なんと声をかければいいのかわからないのでしょう。

 

  • 生徒が体力的にきつい

6時間、7時間の授業を受けた後、さらに授業を受けることになるので、授業で集中することが体力的に難しいです。最後の授業が体育だったりしたらもう最悪ですね。
放課後学習までに30分〜1時間程度の休憩時間があればまだマシですが、そんな時間を用意するとただでさえ帰る時間が遅くなるのが、さらに遅くなります。
部活も引退して、学校が終わっても塾や予備校に行って自習してから帰るような、意識の高い受験生なら行えるでしょうが、1・2年生の「勉強」より「遊び」が生活の中心にある生徒に、高い集中力を要求するのは酷です。
疲れている生徒は「学びたい」よりも「帰りたい」でしょう。

 

  • 授業を期待しているが、授業はあくまでサブ

学校は塾や予備校の先生の授業を期待していますが、授業を受けるだけでは成績は上がりません。聞いているだけで、成績が上がるのでしたらみんなでスタディサプリの上映会でもすればいいだけです。
必要なのは、授業ではなく演習や個別対応です。
6、7時間の授業を受けて疲れるのはインプットの時間ばかりだからとも言えます。もちろん体育で持久走を行った後でしたら、フィジカル的に疲れている場合もありますが。その状況だとインプットするより、問題を解くといったアウトプットの方が効果的だと言えます。
しかし、受ける授業が多ければ多いほど効果的だ、成績が伸びると考えている学校はまだまだあります。成績や理解はそんな簡単な比例関係にはないということをわかった上で、根性があればできると、精神論を振りかざします。
学力を伸ばすための方法がそもそも誤っています。授業はあくまでサブです。

 

このような理由からも放課後学習は効果があまり出ません。
学校が行う夏期講習のようなものです。ロクに効果はありません。
結局、受験勉強に特効薬なんていうものはなく、地道に努力するしかないということです。

 

放課後学習ではなく、土曜学習会が機能している公立中学校はあります。
それは上で述べた課題を解決できているからであり、学校もPTAも協力して、「いい学習会を作ろう」としているからです。
それでもあくまで土曜学習会であり、放課後学習会ではありません。
結局のところ、放課後学習会で身につけられるのは受験に向けての学力・偏差値よりもっと基本的な部分、基本中の基本の因数分解ができない生徒ができるようになることや、小学校で学んだ分数の計算ができない生徒ができるようになるといったことしかできません。
土曜学習会が十分機能している学校でも放課後学習会はうまく機能していないということも多いです。

 

学校が推すことも理解はできますし、体力的な問題で効果が出ないこともわかります。
ですので、自分がどうしたいかに素直に従うことが大切なのではないでしょうか?
先生に言われたから参加するという姿勢ではなく、行きたいから参加する、帰りたいから参加しないと自分の心に素直になるのでいいのではないでしょうか?
その方が美しくないですか?

 

 

いかがでしたか?
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