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愛知県の公立高校受験のシステムをまとめてみた

公立高校の受験のシステムは都道府県ごとに異なります.
調べようと検索してみても教育委員会のペーパーは文字が多く,わかりにくいですよね.

ということで,今回は愛知県の公立高校の受験の仕組みについてまとめてみました.

愛知県の公立高校入試は2023年入試から制度が変わりました.
従来の一般選抜と推薦選抜の2種類に,特色選抜が新たに追加されました.特色選抜が加わったことにより,私立高校の入試を含めても,入試全体の日程が早まりました.入試は,

①私立高校 推薦・特色入試

②私立高校 一般入試

③公立高校 推薦選抜・特色選抜

④公立高校 一般入試

⑤公立高校 第2次選抜

の順番で実施されます.

 

推薦選抜

学力検査(筆記試験)を実施せずに,中学校からの推薦書と調査書,面接,学科によっては実技検査によって,合否を判定する方式です.

全ての高校・学科で実施され,普通科では定員の10~15%,専門学科・総合学科では定員の30~45%ほどの枠が設けられています.

2023年以前の入試では,一般選抜と同日だったため,推薦選抜か一般選抜かどちらか一方しか受けられませんでしたが,2023年入試からは別日になったため,推薦選抜で不合格となっても,一般選抜でチャレンジできるように変わりました.推薦選抜と特色選抜を併願することはできません.

普通科の推薦選抜は筆記試験がないために,旭丘高校のような序列の高い高校に合格するためには,中学3年間全てでオール5の成績を収めていないと厳しいです.もちろん,学業の成績だけでなく,生活態度や部活・生徒会活動なども積極的に参加して,人物が優れていると認められなければなりません.それほどまでに学力検査がないということが,大きいということでもあります.

        

 

特色選抜

推薦選抜と同日に,一部の学校・学科で実施される選抜です.推薦選抜と同日ですので,もちろん推薦選抜とは併願できません.

特色選抜は,将来の進路目標や,その学校で学びたいといういう強い意欲,学科・コースに関する実績が重視されます.ですので,出願の際には,入学願書だけでなく,調査書と志望理由書が必要となります.

必須である面接に加えて,作文・基礎学力検査(英語・数学・国語の3教科を1つにした総合問題.45分間で記述式)・プレゼン・実技試験の中から1つ実施されます.

特色選抜の定員は公立高校の場合は20%程度までと,具体的に何人募集と学校や学科ごとに定められています.

特色選抜の志願者に求める生徒像は、各実施校のウェブページに掲載している「特色選抜実施要項」で確認してみてください。

         

 

一般選抜

愛知県の公立高校入試は複合選抜制度という全国でも珍しい方式を採用してます.これは居住地によって,尾張学区と三河学区に分け,それぞれの学区で高校をAグループ,Bグループに分け,各学区でAグループから1校,Bグループから1校出願できる制度です.尾張学区はさらに1群と2群に分かれます.

つまり,学区を選択して,Aグループから1校,Bグループから1校しか選べない,学区の異なる旭丘高校と岡崎高校を出願することはできませんし,同じAグループである旭丘高校と昭和高校も出願できません.

   

2校出願するということで,これまではA日程とB日程の2回の学力検査があったのですが,2023年からは1回の学力検査で,両グループの合否を判定するように変更されました.また,2023年からは学力検査もマーク式に変更されました.

一般選抜は,評定得点(いわゆる内申書,調査書)と学力検査得点の合計で合否が決まりますが,それぞれの割合は学校によって異なります.

      

例えば,
尾張1群Aグループの旭丘高校は,Ⅴの方式を採用していますので,
評定得点として,3年生の学年末の内申書から,5点×9教科×2=90点.
学力検査合計得点より,22点×5教科×2=220点.
合計90点+220点=310点の中で,高得点の受験生から合格が決まります.

三河群のAグループの加茂丘高校は,Ⅱの方式を採用していますので,
評定得点として,3年生の学年末の内申書から,5点×9科目×2×1,5=135点.
学力検査合計得点より,22点×5教科=110点.
合計135点+110点=245点の中で,高得点の受験生から合格が決まります.

2023年以前は,志願者全員に面接を課していましたが,2023年からは面接を実施する学校は随分と減りました.両学区で,80%以上の学校が面接を行わないとしています.

         

一般選抜で欠員が生じた学校や学科では,第2次選抜が実施されます.

Ⅴの方式を採用している学校が多いですが,愛知県の公立高校の入試問題は比較的に簡単な方ですので,難関校は高得点勝負となります.これは計算ミスやケアレスミスができないという点で,入試問題が難しい大阪や東京とは異なる難しさがあります.

 

合格最低点はわからない

受験生の方は,志望校の得点のタイプを見て,内申点を計算して,合格最低点から当日試験で何点とればいいかを計算するのではないでしょうか?

しかし,愛知県の公立高校は合格最低点を公表していません.

推薦選抜は,学力検査がないために,合格最低点という数字で測ることができない.だから,公表できないというのはわかりますが,推薦選抜と一般選抜を考えている受験生にとっては厳しいですよね.

合格最低点の予想を載せているホームページも多いですので,活用して,自分の受験の戦略を立てるようにしましょう.

        

 

まとめ

愛知県は公立天国と言われています.それは経済界や政治界など,様々な分野で活躍している方の中で,愛知県の公立高校出身の方が多いからという話もあれば,筆記試験が簡単なため,難関校では受験生がみんな高得点をとるから,最終的な差は中学校の4教科の成績となる,つまり公立中学校に合否が依存しやすいというからという話もあります.

実際,愛知県は公立高校の数が多く,私立高校の数はあまり多くありません.

公立高校受験において,中学校の成績を無視することはできません.

ですので,塾に行って,英語・数学・国語・理科・社会の勉強をしていればいいということではありません.しっかり4教科の勉強も行って,定期テストではいい点数をとるようにしましょう.

 

ガンバレ!受験生!!

        

いかがでしたか?
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