educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

共通テスト対策はどこの予備校も完敗する

共通テスト対策問題集が市場を賑わすようになってきましたが、過去問と呼ばれる教材がない中で、それをやっても万全になんてなりません。
そもそも万全なんて一生きません。

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「共通テスト対策は〇〇(学習塾名)でバッチリ!」なんて謡っている学習塾は多くありますが、過去問を含め、情報があまりにも少ない今は、結局のところ生徒の実力頼みになります。わかりやすく言うと、「偏差値70に生徒であったら100点満点中50点になったりすることはないよねー」ということです。


最近行われた河合塾の第一回全統共通テスト模試。プレテストの問題形式に体裁は整えましたが、プレテストのような問題になるとは発表がなされていません。それでもさすがの河合塾です。情報が足りない中、頑張って作ったなーという印象はあります。
現在は情報が少なすぎるので、学習塾・予備校が言っている共通テスト対策なんていうものはあくまで、「こうなるんちゃうかなー知らんけど」に過ぎません。


共通テスト対策と謳う学習塾・予備校は完敗するでしょう。終わってから「今年も的中!」とか言うのでしょうね。今日はなぜ負けると言えるの記事になります。

 

 

人件費で圧倒的に負けている

共通テストは誰が作るのでしょうか。
答えは簡単。センター試験問題作成部会です。
ではそのセンター試験問題作成部会は誰がいるのでしょうか。文科省の職員さんではありません。メンバーは毎年変わりますが、文科省が依頼した大学の教授・准教授・講師、高校の先生、中学の先生などが総勢30名で作ります。わかりやすく言うと教科書の巻末に名前の載っているような方々です。

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名誉教授が大勢いることがわかると思います。大学の教授だけで作ると、受験生にとっては難しくなりすぎる可能性があるので、そのチェックのためにも高校や中学の先生もメンバーとなっています。
教科書を作るだけでも約20人雇っています。センター試験、共通テストはそんな方々が30人も集まり、2年かけて作ります。
人件費はどれぐらいでしょうか?名誉教授や大学の教授といった一人当たりの人件費高い方々を30人も雇い、そして2年間という長い時間の中で問題作成業務にあたってもらいます。学習塾や予備校の講師なんかより遥かに大きなお金が動きます。大手予備校は教材や模試の作成を複数の講師で行うこともありますが、30人もいません。多くても10人程度であり、講師の時給が高いと言っても名誉教授ほどではありません。また一つの模試に2年も時間をかけて製作することはありません。

 

つまり、予備校の行う共通テスト対策は、共通テストに比べると時間的にも、金銭的にも投資額が圧倒的に少ないです。
時間とお金をかければ、コンテンツはいいものが作れます。Netflixを考えてみて下さい。地上波ではできないほど大きな投資を行って、コンテンツ作成をしています。その結果があの素晴らしい番組です。Netflixの年間制作費は約1.8兆円で、東京五輪の予算すら上回っています。
もちろん、時間とお金だけ多く投資すればいいというわけではありません。いいものを作ろうとするメンバーの熱量は必要です。その熱量の部分も、共通テスト作成部会と、学習塾・予備校では差はあるでしょう。
責任感、プレッシャーが大きいのはどちらでしょうか?
センター試験は少しでも範囲からはみ出す、科目間で平均点が開いただけで、非常に叩かれてしまいます。そこまでのプレッシャーは民間教育にはありませんよね。それが制作の熱量にも繋がっていると思えないでしょうか?

 

 

あまりにも情報が足りない

大手予備校だから特別な情報があるということはありません。共通テストに関する情報は文科省からの発表とこれまでの3回のプレテストの問題しかありません。
文科省が発表している共通テスト問題作成方針を見ても、具体的な記述はほぼありません。学習指導要領のような記述でしかありません。
そこから読み取れるのは、あくまで「こうなるんちゃうかなー知らんけど」に過ぎません。

 

また、新型コロナウイルスの影響も無視できません。
今年の受験生は例年に比べて授業数が少ないので、共通テストに向けての準備が甘くなることもあるでしょう。そういった現役生へ、テスト範囲を減らすといった救済措置を行うのか、共通テストの日程は令和3年1月16日、17日と発表はありましたが、一般入試やAO・推薦入試はどうするのかの発表はありません。
入試の13ヶ月前に国語・数学の記述式を廃止したり、英語民間試験を見送るようなことをする文科省です。

 

現時点ではあまりにも情報不足です。
ぼくたちは、たった1.2ヶ月先の未来すら予測できません。1.2ヶ月前に原油が1バレル=−40ドルになる未来なんて誰が予測できたでしょうか。
以上から、民間教育は、共通テストに関して完敗すると予想しています。

 

 

ではどうすればいいか。

あくまで共通テストは教科書がテスト範囲です。まずキチンと教科書を理解するようにしましょう。
「青チャートが解けるから教科書はいいやー」ではありません。
教科書には公式や性質の証明が多く掲載されていますので、公式を覚えるだけではなく、その公式の構造、作り方をしっかり理解しておきましょう。
センター数学では2015年に微分係数、2018年に孤度法の定義が出題されました。
最近のセンター試験ではチャート式をやり込んで得られるような、ただ問題に答えることのできる偏重な知識ではなく教科書の正確な理解が要求されています。ですので、共通テストで高得点を目指す受験生はしっかり教科書を理解しておきましょう。
そもそも、テスト範囲が教科書であるのに、それを使わない手はありません。

 

センター試験にリスニングが導入された2006年のことを思い出してください。
英検準2級や2級ぐらいの難易度になると思うと英検のリスニング教材を買いました。その結果はどうでしたか?
得点率72.5%で歴代で一番簡単な試験となりました。
あくまでぼくの予想ですが、リスニングの初年度と同じように、初回の共通テストはそこまで難しい問題とならないと思います。
とはいえ、センター試験より解きにくくなることは間違いありません。数学1Aですと時間が10分伸びた70分の試験となります。この10分の重みがどう影響するでしょうか。

 

新型コロナウイルスのこともあり、今年の受験生は本当に大変だと思います。不安に思うこともあるでしょう。しかし、勉強した時間は裏切りません。努力は結果に繋がります。大丈夫です。未来は明るいです。

 

 

いかがでしたか?
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