educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

高校数学の教科書は素晴らしい

塾・予備校の文化が浸透した現代。
教科書よりも塾の問題集の方がよくまとまっていて、効率的な学習ができると考えている生徒さんは多いのではないでしょうか
生徒さんだけではなく、先生でもそう考えている人は多そうです。ですので、教科書は不要だと思われています。

 

確かに、中学数学の教科書は少し使いにくいです。
公立中学校は家庭環境や行われた教育、これまでの経験もバラバラの子どもたちを、単に住んでいる地域で集めただけなので、学力も様々です。
そんな子どもたちにゼロから数学という知識を与えていく訳ですから、理解しやすいものになっています。

 

中学校の教科指導は基本的に「底上げ」です
生徒の学力が1から5までだとすると、中学校が行うのは平均の3の内容ではなく、全体が底上げできるように2〜3の内容となります。
ですので、中学数学の教科書では難関校や一番校まで対応できないのが現状です。
また、公立中学校では授業コマ数に対して、学ばなければならないことも多く、復習まで行えません。塾ですと、1学期の間に学んだことを夏期講習で復習すると、しっかり理解する機会が何回もありますが、学校の授業ではそこまで行う授業コマ数がありません
そのため、中学数学の教科書は1回の授業でしっかり学びきれるように作られています。「量をこなせ」に反する、丁寧な授業でしっかり理解しようという「質」を求めた授業を行えるような教科書になっています。

 

高校数学の教科書も基本的には中学数学と同じコンセプトで作られています。
しかし、高校数学の教科書は受験でもよく使えます
高校数学の教科書は定理や公式などの証明はほぼ全て載っています。定理や公式などの証明は自分で一度はしておいた方がいいのですが、時間がない方でもせめて読んで理解しておくことはしておいた方がいいです。
公式や定理の証明はあまり出題されませんが、非常に大切です。
この問題を見てください。

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(2018年センター数学2B本試より)

三角関数で学ぶ弧度法についてなのですが、「そういうもんだから」と、なぜかわからないが弧度法を用いているという生徒は多いでしょう。
そういった中途半端な知識の受験生を是正したいのでしょう
弧度法とは一体なんなのか教科書には掲載されています。

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この問題の正答率は低かったでしょう。
センター試験の性質を知っている受験生や、教科書を丁寧に理解していた受験生は難なく解けたでしょうが、理系の人間であっても落とした生徒は多いのではないでしょうか?
この問題の配点が1点で「助かったー」と思ったでしょう。

 

教科書は他の教材に比べて、人件費が違います
最終ページに約20人の著作者・編集委員の名前が掲載されています。
名誉教授・教授・准教授・校長・教諭とそうそうたるメンバーです。
こんな方々を集めて、1つの本を作る。さて人件費はいくらでしょうか。
予備校が出している問題集や、民間企業である出版社さんが出す問題集よりも高いことは明白です。そしてその教科に対する知識も名誉教授・教授・准教授の方があるでしょう。
解いて、授業を行い、解法を伝えることは予備校の方が長けているかもしれませんが、学問としての数学の理解は教授の方があるに決まっています。同じ理由からマーク模試はセンター試験には敵いません。
人件費をかければかけた分だけ、お金をかければかけた分だけいいコンテンツが生まれます。Netflixと同じ構造ですね。

 

日本史や世界史、理科でも教科書を使っている生徒をよく見ます。しかし、数学で教科書を使っている生徒はあまり見ません。
教科書を軽視する講師は勉強不足です
数学が苦手な生徒や、受験生は教科書をしっかり理解するところから初めてみるのも一つの方法ではないでしょうか?

 

 

いかがでしたか?
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