educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

高校2年生がやらなアカンのは数2Bだけじゃなくて、数1Aと2Bだよ

公立高校の数学のカリキュラムは基本的に
高1:数学1A
高2:数学2B
高3:数学3or数学1A2Bの復習
となります。
定期テストもあるので、数学2Bは頑張るでしょう。しかし、高校2年生で行わなければならないのは数学2Bだけではなく、数学2Bと数学1Aになります。
今回はそのことについての記事になります。

 

 

 数学2Bを進めている間は数学1Aの能力は下がっていく

正弦定理・余弦定理を忘れてしまった高校2年生がどれだけいるでしょうか。
相関係数の求め方を覚えている高校2年生は何人いるでしょうか。

 

人間は使わなければ、その能力は劣化していきます。習った時には理解していても、使ってなければどんどん忘れていきます。
数2Bは数1Aに比べて高度で複雑です。チャート式でも数1A、2B、3の3冊の中で、数2Bが一番ページ数が多いです。うまく乗り越えられる生徒もいれば、苦労する生徒もいます。つまずきのキッカケは人それぞれです。
全体で眺めると体系立てられて構成されているということがわかるのですが、そんなこと意識する間も無く、次から次に新しい内容に入っていくと感じる生徒もいるでしょう。数1Aでは感じなかった、理解の難しさと直面する生徒も多く見られます。
数学の苦手な文系の生徒ですと、カリキュラムについていくのでやっとでしょう。理系の生徒であっても2年生のうちから来年を見越して、少しでも早く数3に入りたいとする学校のカリキュラムに押しつぶされそうになることも多いです。
ですので、数2Bの学習に時間が多くかかってしまうのは自然な反応だと言えます。

 

数2Bの学習を進めるだけで、大変だというのはわかりますが、受験のことを考えると、2年生の間に少しでも忘れないように自分自身に負荷をかけておいた方がいいでしょう。
学校で受ける進研模試で数1Aに触れるだけで十分でしょうか?
2年生の1年間で数1Aの総復習を一回するぐらいでも構いません。学校から渡されている4STEPやサクシードといった教科書傍用の問題集を解いておくだけで、3年生になってからの景色が全然異なります。

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早めに苦手分野を潰しておかないと次に出会うのは高校3年生、つまり受験生になってから

特に「場合の数・確率」です。
数2Bで学ぶ三角関数や指数・対数関数では、数1Aの二次関数の知識を活用します。そのため二次式の扱い方を忘れないように自然と機能しますが、場合の数・確率を発展させた単元である「確率分布と統計的な推測」は扱わない学校がほとんどです。
ですので、何もしないと場合の数・確率に関しては劣化していくだけです。

 

場合の数・確率は高校生の中でも苦手単元として1位を争うほど嫌われる単元です。
「場合の数・確率めっちゃ嫌いやねんなー( ´△`)」
「2年生で確率分布をやらへんから、まぁええか(・ω・)」
と先延ばしをしていると、場合の数・確率を克服するのが3年生、つまり受験生になってからになります。
場合の数・確率は1年生に習っても、きちんと理解できている生徒はごく僅かです。ほとんどの生徒は「なんかあんまりよくわらんけど、答えはあってるし、まぁいいか」です。数学ではこの「まぁいいか」は大きな課題で、これを解消することが苦手意識の克服とも言えます。
上で述べた「忘れた」というケースですと、問題集に当たり、その知識を使っていけば思い出すので、「解く」という時間だけで解決できますが、この「まぁいいか」という曖昧な理解の解消は、授業を受けたり、質問をしたり、自分の中で考察を深めたりと、問題を解く以上の時間が必要になります。

 

受験生になってからは1・2年以上に国語、理科、社会に学習時間が奪われるので、高校生が思っている以上に復習や苦手克服に取り組める時間は限られます。さらに理系の生徒は数3という高校数学の中で一番複雑な課題も入ってくるので、尚更、場合の数・確率を含めた苦手単元の克服に回せる時間は限られます。
2年生の間に、場合の数・確率だけでなく苦手単元を克服しておくだけで、先延ばししたライバルと大きく差を広げることができます。

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部活動で重要なポジションになったり、遊び方に幅が広がったりする

1年生の頃は高校生になるのに時間がかかり、それなりの緊張感の下で1年間が過ぎていきます。(高校生になるというのは、高校生としての時間の流れに慣れる、高校生としての自分に慣れるという意味です。)
2年生になると、心情的にも完璧に高校生になり、「ウチら最強」と思っている今の時間が永遠に続くと思ってしまいます。
ですので、2年生は1年生の頃に比べて、遊び方も変化し、遊ぶことがますます楽しくなります。例えば、USJの年間パスポートを持っている生徒で、1年生のときには年に数回USJに行ければ満足だったのが、2年生になってからは月1回USJに行くのでは満足できなくなるような反応です。
また部活動でも、夏以降に3年生が引退して2年生でキャプテンになったりと、責任感が増すことで、1年生の頃以上に部活動に時間が割かれることになります。
つまり、1年生以上に、勉強以外の時間が増えてしまうことになります。

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部活や遊びの時間の増加は、学習時間の減少を引き起こします。
2年生の方が1年生より高度なことを学ぶので、本来ですと、学年が上がるにつれて学習時間を増やさなければなりませんが、それがうまくできません。むしろ遊びや部活時間の増加によって、学習時間は減少します。
学習内容の難易度は上がっていくにも関わらず、学習時間は減ってしまいます。
さらに1年生の復習まで行わなければなりませんので、1年生以上に学習時間は必要になります。
1日24時間という限られたリソースの中で、学習計画をきちんと立てなければ、全ては行えません。計画性のない行いは、睡眠時間の減少を引き起こす結果になります。

 

学習時間が増えて、部活や遊びの時間も増える。そうなると、自分自身を見つめる時間なんてロクに取れません。ですので、今の高校生は大人が思っている以上に時間がありません。

その結果が、大学に入ってからやりたいことを見つけるといった高校4年生と揶揄される大学1年生ではないでしょうか。

 

 

まとめ

と、2年生の間に数1Aの復習をしておきましょうという話を書きましたが、実際に取り組む生徒はごく僅かです。毎年、高校生に話すのですが、実際に数1Aの復習に取り組むのは10%もいないのではないでしょうか。ですので、チャンスです。
面倒であればあるほど、みんなやらないから競争相手が少なく、実はコスパがいいです。

 

人間は失敗からしか学びません。
具体的にこんな風に失敗をするとわかっていても、対策をしないというのが若さでもあります。それはそれで学びになるので、価値はありますが、現役合格から距離が生まれることも事実でしょう。
この記事が1人でも多くの高校2年生に届き、数学が苦手な生徒が減ることを願っています。
さぁ、まずは場合の数・確率から潰していきましょう。

 

 

いかがでしたか?
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