中学受験の保護者会で伝えること

中学講座の大手学習塾の保護者会では教室長や社員さんが登壇します。今でこそ独立したので、保護者様と面談する機会は増えましたが、講師が話す機会はあまり多くありません。
以前勤めていた学習塾では、保護者会で講師が登壇できたので、そこで話していた一講師の一意見についての記事です。

平均点と得点と偏差値と判定だけで話すのはやめてあげてください

テストで平均点が６３ぐらいで自分の得点が５２ぐらい、偏差値が５０を下回るような得点をとって判定がうまく出なかったケースってありますよね。
そこで「あんた！自分の得意科目の算数でこんな点数とって、どうすんのよ！？」とかと怒る方がいます。
そんなこといちいち言われなくても成績表見たらわかるよねということです。
その成績を見て「やべぇなー」と一番感じているのはお子様です。にも関わらず、ご家庭でも圧をかけられたら子どもにどんな反応が出るかわかりません。過去には、ご飯が食べられなくなった、左腕が動かなくなった、蕁麻疹がひどく出たなどと反応が出た生徒がいます。
ですので、お子様がしっかり勉強している様子を知っている、例えばリビングで宿題をしている姿を見ているなど、のでしたら、厳しい言葉を投げかけるのではなく、今夜は好きな晩ご飯のメニューにしてあげたりと温かいサポートをしてあげてください。
大丈夫です。しっかり学習していれば結果はいつか出てきます。
これは特に大手の学習塾の生徒ほど注意です。中学受験の大手の学習塾では数字だけを見て悪いところを指摘するばかりで、否定的な会話になり自信喪失になったとの話をよく聞きます。
「努力を認めてあげる」だけでお子様の輝き方やモチベーションが変わります。

市場のいい教材は大いに活用しましょう

例えば、マインクラフト。あれは立体感覚を身につけるのには最適なツールです。
算数（数学でもですが）では立体の切断が出てきます。ここで要求される空間把握力は幼少期の積み木の経験だと言われています。ただ積み木を触っていただけでなく、いろいろな立体に触って考察できていたかが問われます。しかし、「これは幼少期の頃の積み木の経験だから、わからない人は２、３歳にタイムスリップして積み木を触ってきてくださーい」と宿題にしてもできませんよね。
マインクラフトはその立体感覚、空間把握力を養う最適なツールだと考えています。

　　　　　　　　　 f:id:educationsalon:20200311223519j:plain

（https://ameblo.jp/tekisei-kensa/entry-12379899791.htmlyより引用。これすばらしいですね。わかりやすくまとまっています。）

また漫画日本の歴史は非常にいいです。歴史は6年生になってから学校で学びます。マンガだったら6年生でなくても読めますので、早めに全部読んで大まかな流れを掴んでおくと本格的に学習したときに、入り方が変わります。
歌を覚えるときにAメロばかり聞いて「よっし！Aメロ完璧！次はBメロ！」って覚えますか？何回も通して聞きますよね。それと同じです。通して何回も読んでおくと細かい部分を覚えるのも簡単になります。
このようにまんが日本の歴史や実験系YouTubeなど、市場に出回っているいい教材は大いに活用しましょう。
トイレに世界地図や日本地図を貼っておくのもオススメです。

自習室を使おう

授業はあくまでサブで、メインは自習です。偏差値は授業のコマ数ではなく、集中×時間、集中している時間をどれだけ多く作るかで決まります。
是非、高校生や浪人生と同じ自習室に行ってください。
中学受験に挑む小学生の熱量もすごいですが、高校3年生や浪人生の勉強する熱量は大人なだけあり違う力学ですごいです。「人生をかけている」というほどの意気込みがあります。
数年先の先輩の集中している姿を見て、同じように自習する。これはいい背伸びです。背伸びが成長を生みます。

小５の夏休み・冬休みにすること

小５ごろになるとお母様から「冬休みに宿題以外に何を頑張っておいたらいいでしょうか！？」と質問を受けます。
そこで「小６は勉強ずくしになってしまいますので、家族旅行とか遊びに行ったりしてお休みを楽しんで下さい」と伝え、「えっ？」という顔をされます。
6年生は本当に遊べません。毎日塾の暮らしになりますので、小学生らしい季節休みはこれが最後になります。勉強をすることも価値がありますが、次の休みは中学の入学前ですので、小学生として過ごせる最後のチャンスとなるかもしれません。
ですので、希少性の高さは勉強よりも家族との笑顔だと考えています。
勉強もちょいちょい進めて、クリスマスやお正月を楽しんで下さい。

　　　　　　　　　 f:id:educationsalon:20200311223918j:plain