educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

今流行のSTEAM教育って一体なんなん?

最近、注目されているSTEAM教育。みなさん、STEAM教育をご存知でしょうか?Education Salon OSAKAでも導入を試みようとしているのですが、インフラ的にも海外の実例のようにはいきません。
これから必要な力は「従う力」ではなく、「生み出す力」。
その生み出す力を身につけるのに、STEAM教育は有効な手段の一つだと考えています。(もちろん、それ以外でも大切なことは多くあります。)
今回はそのSTEAM教育についての解説となります。

 

 

 

STEAM教育とは

STEAM教育とは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(アート)、Mathematics(数学)の5つの頭文字をとった造語です。
この5つを中心に据えて、教育を行っていくのがSTEAM教育です。
Aはアートだけではなく、リベラルアーツまで含めたAです。

元々、Aを除いたSTEM教育が2000年代からアメリカで始まりました。2000年代と言えばインターネットの黎明期ですので、アメリカでは「これから求められるのは理系だ!」と気付いていたのでしょう。
2010年代にオバマ大統領がSTEM教育を国家戦略の一つに掲げ、拡大していきます。現在、オーストラリアやカナダ、ベトナム、中国、シンガポールでもSTEM教育/STEAM教育の学校や支援機関が作られています。

 

20世紀にテクノロジーが世界を変えたように、21世紀はアートとデザインが世界経済を変えるとSTEAM教育の提唱者であるジョン・マエダ氏は話しています。
AIは論理的な思考しかできないので、クリエイティブの領域は得意ではありません。アルゴリズムに従って、リコメンドすることはできますが、「欲しい」と思ったり、「ポチる」という最終的な意思決定はできません。今後、さらにAIが発達した社会では人間でなければできない仕事だけになります。ワクワクしますよね。
ですので、AI時代には創造力や感性が今以上に重要度を増すと考え、STEM教育を中心にアートとデザインを据えて、STEAM教育となりました。

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STEAM教育がなぜ今言われるようになったのか

テクノロジーが進み、単純作業といった1つ本槍の作業がますますAIに変わっていく中、これからはAIが行えないような複雑な問題の解決が必要になります。
近代教育では「従うこと」ができるようになりました。現在の学校教育は工場のラインで働く人間を作るには素晴らしいですが、今は工場のラインで働く人間になりたい時代ではありません。
社会の課題がどんどん変わっていく中で、それに対応できるように教育の方法自体をアップデートしなければなりません。
これから必要になるのは「創る力」です。作ることはAIには行えません。

 

STEAM教育の特徴として、実践力重視、横断的、体験型などが挙げられます。
日本の教育は教科間の縦割りが強く、教科を超えて横断的に学習するのが難しいです。しかし、STEAM教育は各教科での学習を実社会での問題解決に生かしていくための教科の横断的な教育ですので、複雑な問題解決力が、今以上に身につけられると期待されています。
その例が今回の共通テストのプレテストの問題にも現れています。この問題を見てください。

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数学2Bの問題(平成29年度試行調査より)で単元は数列の問題なのですが、これまでの数学の問題ではなく、現実生活に根ざしたテーマとなっています。
教科学習は、点数をとるためにイヤイヤ行われていたものでしたが、現実ではこのような場面で使われている、逆に言えば、現実世界ではこのような形で数列・漸化式が使われているということを学んでもらいたいという意図がわかります。

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文科省のSTEAM教育に対する方針

これからの社会(Society5.0)を生き抜くための力、そのときの思考の基盤となるSTEAM教育を全ての生徒に学ばせる必要があると文科省は鼻息を荒く期待しています。
この国をどうにかするために教育をどうにかしなければならないという大きな課題の中で、STEAM教育という物語はわかりやすく、期待できます。
学校でも、「総合的な探究の時間」や「理数探究」「理数探究基礎」という時間を設定し、STEAM教育のプログラムが行われるように変わります。

現在の教科学習では、化学や物理で数学の計算が登場してくるぐらいで、(1)は化学、(2)は物理、(3)は数学といった問題は扱いません。これだと理系でも生物選択者は不利です。
文科省としても、現在の高校や大学で文系・理系に分かれ、受験科目の教科のみしか学習しない現状を改め、文理両方を学ぶ人材を育成するよう、高校と大学を繋ぐ、高大接続改革を進めると考えています。

Society5.0というまだ見ぬ未来を生きていく上でも、現在でも共通して求められる力として、
①文章や情報を正確に読み解き、対話する力
②科学的に思考・吟味し活用する力
③価値を見つけ生み出す感性と力、 好奇心・探求力
と文科省は考えています。
ここではAIといったテクノロジーを抜いて考えることはできません。
数学だけではなく、数学や化学や物理、さらには英語やアートと複数の領域から成り立っている課題が解決できる力が必要です。
その力の育成にSTEAM教育が有効だと考えています。

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まとめ

プログラミングは大切です。コードが書けた方ができることの方が幅が広がりますし、論理性も身に付くでしょう。今の日本の教育では論理性があまり身につきません。
ディスカッションの時間もディベートの時間もロクにありません。

しかし、それを学校に丸投げするの学校の先生が可哀想すぎませんか?
STEAM教育は大学のゼミ、研究室で行われている学習です。教科の壁を越えるので、現在の教科学習より複雑、高度なコンテンツとなります。
それをただでさえ忙しい学校の先生に要求するわけですから、教材研究も授業の構成を考えるのにも時間が足りないことは明白です。
できなくて当たり前、失敗して当たり前ではないでしょうか?
STEAM教育もあくまで、今後必要(だと思われている)力の育成に役立つ(んじゃないかなー)と考えられているだけであり、実際の未来はどうなっているかわかりません。
誰も1年前にオリンピックが延期になるなんて想定してなかったですよね。
結局は自分の頭で考えて、自分で意思決定をして、自分でその選択を正解にするパワープレイができるかです。(精神論です。)

民間でもいいサービスは出てきています。
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もちろん、Education Salon OSAKAもこれからも良質なコンテンツを生み出せるように試行錯誤続けていきます。
こんな教育方法を行ってもらいたいというのがありましたら、是非ご連絡していただけますと幸いです。
(参考資料:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/mirai_kyoshitsu/pdf/001_09_00.pdf

https://www.mext.go.jp/content/1421972_2.pdf

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/06/06/1405844_002.pdf

  

 

いかがでしたか?
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