educationsalonの日記

Education Salon

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給食にお茶ではなくて、牛乳が出る理由

小学校でも、中学校でも、給食には牛乳です。「ご飯に牛乳は合わないよ!」といった声や、夏場の熱中症対策として家庭からお茶の持ち込みが可能になったため、給食でもお茶を飲めるようになりました。
中学校では給食でもお茶が出るようになりました。
ぼくが小学生のときはお茶の持ち込みも不可だったので、牛乳だけでした。

 

そもそも、なんで給食には牛乳なのでしょうか?

 

給食が牛乳なのは法律で定めているからです。
学校給食法が制定されたのは昭和29年6月3日。1954年のことです。
終戦が1945年。1954年は戦後の復興期と高度経済成長の狭間に当たります。これまで戦争という状況下で、外に向けられていた熱量を復興と内側に向けられるようになりました。たった10年ではまだまだ焼け野原です。戦争のダメージが癒えていない人も大勢いたでしょう。
戦後直後には、兵隊さんは市民に戻りますし、海外からの引き上げなどで人口は増えました。しかし戦時には日本はだいぶ無茶苦茶をしましたから、海外との輸入も途絶えていたので、食糧や物資は不足していました。
特に食糧難は深刻でした。闇市がまだまだあるような時代です。
実質経済成長率を見ても変動が激しいのがわかります。まだまだ国民の生活は不安定だったでしょう。

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(http://www.kyoritsu-wu.ac.jp/nichukou/sub/sub_gensya/Economy/J_Economic_History/High_E_Growth.htmより引用)

 

自分の食べる分すらままならない中で、飢餓で子どもが亡くなっていく。
子どもは国の未来です。
戦後1945年以降はアメリカや外国からの食料援助によって、児童の欠食対策として給食が再開されました。その後、食糧事情の改善により全国的に完全給食を実施することが可能となり、同時に給食の目的は「欠食児童対策」から「教育の一環」と位置づけられ、学校給食法が制定され、現在の体勢になりました。

 

給食に牛乳がマストなのはこの学校給食法に原因があります。
学校給食法には区分が3つあります。

完全給食:パンorお米、ミルク、おかず

捕食給食:完全給食以外の給食で、ミルクとおかず

ミルク給食:ミルクのみ

ミルクの存在感の強さ!!
どの給食でもミルクを避けることはできません!!
当時、子どもが育つ上で丈夫な体を作るにはミルクが必要だと考えられていたのでしょう。乳糖不耐症なんて言葉は当時にはまだありません。

 

つまり、給食でミルクを提供しないことは法律違反、犯罪に当たります。ですので、給食には牛乳が入るということです。
しかし今は時代も変わり、日本だと子どもが飢餓に苦しめられることはめっきり減りました。生活が安定し、食が豊かになったからこそ、「お米に牛乳は合わない」ということが言われるようになりました。
牛乳を完全に無くすためには法律を変えなければなりません。これは非常に大変な営みですので、お茶を提供する、もちろん牛乳も提供するという今の形になっているのでしょうね。

 

しかし、子どもはこの国の未来だと、食べ物が少ない中で子どもに優先的に回した当時の日本はさすがといえます。
今そんな視座を持っている大人はどれだけいるでしょうか。
「年金は自分たちのものだ!ビタ一文まけてたまるか!」と、いつから若い世代を苦しめることが自然になってしまったのでしょうか。
教育は未来への投資です。教育に投資しない国はどんどん落ちていきます。
統計上、現在一番お金を持っているのは60歳以上の人口層です。

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https://allabout.co.jp/gm/gc/460156/より引用)

 

 

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