educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

大手予備校の講師採用の裏側

あまり知られていない予備校の採用事情。
「あの先生はどうやって教壇に立てるようになったのだろう」と気になる方もいるのではないでしょうか?

 

予備校も学習塾と同じで基本的には、書類選考(履歴書)、筆記試験、面接、模擬授業で採用が決まります。
塾・予備校によって、またはその予備校の置かれている状況(例えば、物理の先生が交通事故にあって、授業が行えないから代講を行ってくれる先生を探しているとか)によって、何に重きが置かれるかが変わります。
学歴に重きが置かれる場合もありますし、模擬授業でこれまでの経験を大事にする予備校もあるでしょう。
今回は大手予備校の講師採用の裏側についてのご紹介です。

 

  • 駿台

駿台はまず筆記試験が行われます。そして筆記試験に突破した者が次の書類選考に進みます。本来の採用とは逆ですね。
そこで駿台は旧帝国大学の大学院卒でないとはじかれます。
その書類選考を突破した者が面接(担当講座数やコマ給まで提示される)、模擬授業と流れるそうです。
ぼくが生徒だったときは、駿台の講師としてのキャリアは模試の採点から始まると聞いていたのですが、今はそんな話はあまり耳にしません。

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(駿台の人気講師陣)

 

  • 河合塾

書類選考(履歴書)、筆記試験、面接、模擬授業の流れで進みます。
河合塾の筆記試験では自分で問題を解くといういわゆるテスト問題もあれば、「大阪大学の入試問題を想定して、問題を作成しろ」といった問題を作らせる問題が出題されます。
これは授業を行う指導力だけではなく、教材作成力も求めているからです。
河合塾のテキスト作成業務は教科担当の講師が会議室に数十名集められ、あーだこーだ言いながら進められます。教材作成会議にもそれなりの時給を支払っているので、そのコストに見合う価値を提供できる素質があるかを見たいのでしょう。
また、河合塾は市販されている教材でも優秀なものが多く、売り上げの中で出版物の割合も大きいです。そこも考慮しての、問題を作らせる問題なのでしょうね。

 

  • 東進ハイスクール

実家が東京にある者が有利です。そもそも東進ハイスクールの校舎は関東に集中しています。関東以外ですと、静岡、長野、奈良にしかありません。京阪神にはなかなか進出できないのでしょうね。
というのも、東進ハイスクールの売り上げの中で東進衛生予備校は大きいです。一度動画を撮って、動画を見るためのインフラを作れば、必要なのはランニングコストのみとなるサブスクのモデルは、企業にとって非常に効率的に回収できるドル箱です。
この動画の撮影はもちろん都内で行われており、その日時の設定は東進側が決めます。つまり「◯月◯日の◯時から撮影するから来てねー」と決められます。
東進ハイスクールは原則ダブルワークを禁止しているため、コンビニバイトとかなら可能なのでしょうが、他の塾・予備校で仕事をすることはできません。
だから「ウチでしか働いてないんだから、来れるよね」というスタンスです。これに臨機応変に対応できるのは東京に住んでいる者だけです。
また、採用してすぐは授業のコマもあまり多くは振り分けられません。ですので、あまり収入はありません。それでも生きていける、実家が東京にある者でないと林先生のところまではなかなかたどり着けません。

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(東進ハイスクール「今でしょ」の林先生)

 

  • 四谷学院

書類選考(履歴書)、筆記試験、面接、模擬授業という流れで進みますが、基本的にまず55段階式に回されます。この55段階式はプリント学習であり、社員であっても35段と36段の違いがわかっていないという怖いシロモノになっています。
この55段階は大学生講師の個別指導と時給がほぼ同じですので、プロ講師の方は55段階になれば、辞退することになるでしょう。
しかし、ここに裏技があります。四谷学院はコネがあれば採用が甘くなるという点です。
講師としてのキャリは55段階から始まるのですが、「○○先生の紹介でー」というコネがあれば、55段階の担当しなくても、講師として登壇できるそうです。
四谷学院は河合塾の講師の引き抜きが多く、河合塾の授業だけだと授業のコマが少ない講師の方を多く引き入れたいのでしょうね。

 

  • 鉄緑会

外部からの採用はあまり大きく行っていないのではないでしょうか?東大や京大の学生掲示板にはたまに講師採用のチラシが貼られているそうです。
元鉄緑生の東大生・京大生が行います。鉄緑会で生徒としてインプットしたことを、次は講師としてアウトプットする。一子相伝のカリキュラム、歴史のある合格へのノウハウが、東大・京大・医学部の多くの合格を生み出しているのでしょう。
鉄緑会で講師としてアルバイトする大学生は就職するよりも給料が高く、就職せずに講師を続ける学生もいるそうです。(信じられませんが、医師になるよりも給与が高いので、医者にならないという話までも耳にしたことはあります。)

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(鉄緑会のビル)

 

 

いかがでしたか?
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