educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

塾講師と予備校講師の違い

塾講師と予備校講師では同じ講師ですが、大きく異なります。
今日はそれについての解説です。

 

主な違いは労働時間と、対象生徒です。
塾は中学受験、高校受験、大学受験を対象としているのに対して、予備校はほぼ大学受験しか行っていません。(予備校が高校受験や中学受験まで範囲を広げたケースもあります。)
塾講師は大学生でも行えますが、予備校講師は大学生では採用しない、大卒以上が資格となっている場合が多いです。
各駅にあるような小さな個別指導は大学生による授業がほとんどです。だからスーツを着て誤魔化しています。
医学部予備校を筆頭とする個別指導の単価が高いのは、大学生ではなく、河合塾や駿台といった大手予備校の講師の個別指導だからです。

 

塾は小学生・中学生・高校生を対象としています。午前中は学校があるため、基本的に授業は17時以降となります。
夏期講習などでは学校が夏休みのときに行われるので、午前からとなります。
講師でないスタッフ(いわゆる社員さん)も14時ごろからの勤務となることがほとんどです。
中学受験全盛期と言える90年代でしたら、講師も17時からの授業だけで十分贅沢な暮らしがでいるほどに潤っていましたが、子どもが減った現在ですと、講師のコマ給もそこまで高くなく、午前中はどこかでアルバイトをしなければ生計を立てることが難しいです。ぼくも塾で働いていたときには、午前中に中学校でも働いていました。
全盛期の浜学園は講師の最低賃金は時給4000円で、同志社大学程度の学歴では採用されないと言われていました。
ドラマにもなるほど、中学受験が流行っていましたね。

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(ドラマ「勝利の女神」(1996)より)

 

それに対して予備校は対象となるのが高卒生・浪人生ですので、午前中から授業があります。
入りたての新人ホヤホヤの時はあまり授業を回してもらえないので、塾講師のようにアルバイトをすることになりますが、授業が回ってくると予備校講師はダブルワークをする必要がなくなり、予備校講師1本で生計を立てることが可能になります。
しかし、午前中が浪人生の授業。浪人生が年々減ってきている今は授業の数も減ってきており、長く勤めているベテランの講師の授業のコマが減ったり、コマ給が下がったりと、予備校側も維持が厳しくなってきています。
若手の先生はそもそも授業が少なく、コマ給も安いので、さらに下がるということはあまりないですが、ベテランのおじさんが授業を減らすなとゴネているという話はよく耳にします。
80〜90年代の予備校が一番潤っていた時期では、若い先生の授業でも生徒は200人、300人ほどいましたし、1コマ90分授業で給料は2万円以上が当たり前の世界でした。最低価格が2万円でしたので、90分で4万円、5万円がザラの世界です。今は大手でも若手は1万円いきません。
昔は1億円超える講師がごろごろいましたが、今は1千万円超える講師はほぼいません。

          f:id:educationsalon:20200221183534p:plainhttps://hochi.news/articles/20180704-OHT1T50192.htmlより引用)

 

また浪人生を担当している予備校講師の方が知識量も多いです。
大学受験か高校受験か。授業の値段も大学受験の方が高く、人生に与える影響も大きいでしょう。
受験生のかける熱量も違いますので、講師はそれに応えられるように、プライベートを削り、授業準備を行わなければなりません。リスクの違いです。

 

やはり講師の仕事は時給は他のアルバイトに比べると高く、短時間で多く稼げます。
しかし、自分の望むだけ働く、自分の望み通りの授業数を行えるかは、予備校次第です。もっと働きたくても、子どもが少なく、講座数も少ないため、予備校が回せる授業がない。
夜の授業だけでは生計がたてられないので講師にとって朝昼の授業を行えることは大きいです。そういう意味でも塾講師と予備校講師の違いは、朝昼の授業コマを持てているかとも言うことができますね。
朝昼の授業までは意外と離れてます。

 

 

いかがでしたか?
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