educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

「体育会系」という言葉とその意味って一体なんなん?

体育会系という言葉は「チームメイトが頑張っているから、おれも負けじと頑張る」という切磋琢磨に情熱を燃やす運動部にいそうなタイプを指す言葉でしたが、今はパワハラを肯定化する言葉のようになりました。
「あそこは体育会系だから」

「あの人は体育会系だから」

と過重労働や飲みニケーションといって、サービス残業やお酒が飲めない方にアルコールの強要を正当化しています。

 

体育会系は採用では人気です。
その理由として、

・年功序列といった上下関係に従順

・フィジカルが強く、体力がある

・精神論を好む

などなどの体育会系の特徴からです。
昭和的です。これは採用では好まれるでしょう。
電通の鬼十則とかはその典型例です。

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https://www.sankei.com/economy/news/161209/ecn1612090036-n1.htmlより引用)
これを守ってきた歴史があるから今の電通があることは事実です。
現在、問題視されている飲みニケーションなども、こういった体育会系の伝統があるからではないでしょうか?

 

そもそも日本は精神論の国ですので、体育会系とは相性がいいです。
学校という組織は体育会系の色が強く残っています。先生は自分よりキャリアの長い先生を敬う、生徒にとって年長者である先生は絶対、部活の先輩は絶対といった、年齢による上下関係を特に好みます。
学校生活に馴染むには自分も体育会系になるのが手っ取り早いです。ミイラとりがミイラになる、スタンフォード監獄実験のようですね。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E7%9B%A3%E7%8D%84%E5%AE%9F%E9%A8%93

 

だからこそ、それに馴染めない中学生が不登校傾向になる、非行に走るといった反応が生じます。(これはあくまで不登校傾向の原因の一つであり、不登校=学校に馴染めないではありません。)
特に公立中学校ならば、先生の従順な犬になれることが内申点に繋がります。私立中学校でも滝中学のように規則が厳しい学校だと「先生の言われている通りに行えること」が評価に繋がります。
板書をノートに写すことでは学力はつかないとわかっているにも関わらず、みんなでそれを行う。
中学生という一番多感な時期、大人と子どもの間である時期に、このマインドを3年間も植え付けられたら、年功序列といった体育会系の気質にもなりますよね。

 

受験でいうと「睡眠時間を削ってでも宿題はやるもんだ」という発言になります。
ぼく自身この言葉で、受験生を過ごしたので、生徒に要求したい気持ちはわかりますが、それは今だとパワハラになってしまいます。
現在では、科学の発達によって睡眠時間を削って、勉強時間に回すことが非効率だということが広く知られるようになりました。
受験勉強は暗記ゲームですので、多くを暗記するには「集中力×時間」です。1日24時間という有限の時間量の中で睡眠時間をしっかり確保し、集中している時間をどれだけ多く作れるかが偏差値や点数に繋がります。
にも関わらず、科学を否定し、精神論で行おうとしているわけですから、日本の教育は科学があまりにも入っていないと言われています。
その典型例が浜学園を筆頭とする中学受験の大手学習塾です。(だからこそ、やり方を変えれば小5からでも間に合うと言っているのですが、この言葉は聞き入れられません。)

 

本来の体育会系という言葉は仲間との健全な切磋琢磨を表していますので、美しいものでした。それが日本の精神論と結びついたことで相乗効果を引き起こしてしまったのでしょう。
体育会系という精神論とハラスメントは対極に位置するものなのでしょうね。
今流布している体育会系ではなく、健全な体育会系が広まり、日本に活気が出ることを願っています。

 

 

いかがでしたか?
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