educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

入試問題って誰がどうやって作ってるん?

大学入試、高校入試、中学入試。
入試の問題は誰がどうやって作っているかご存知でしょうか?

 

京大や東大、灘高といった人気校は自分たちで作るでしょう。
理学部や数学科のない単科大学(〇〇医科大学とか)でしたら、そこに出講しておられる先生が作るのでしょう。もしくは契約しておられる先生や教授がいるのかもしれませんね。
これは中学入試でも、高校入試でも同じです。
有名校や人気校でしたら、前期後期の2種類程度だけですので、力を入れて作ります。
入試問題にもこだわりがあり、外注したくないのでしょう。
例えば京都女子中。京都女子中には算数の問題を作るのが好きな先生がいるのでしょう。「こんなん誰が解けんねん」という問題が出題されることもあります。

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これは京都女子中の2012年の問題です。
解けますか?

 

しかし、あまり人気のない学校ではどうでしょう?
人気校でしたら1、2回の入試で生徒数を確保することができますが、人気のない学校はそれでは定員数を確保することができません
特に今は子どもが少ないので、どこの中学校も定員の確保に必死です。
ですので、複数回の受験のチャンスを設けて生徒の確保をします。
複数回の受験を行うためには、入試問題を複数個用意しなければなりません。
誰が作るのでしょうか。

 

答えは簡単。ぼくのような者に頼みます
赤本の執筆も同じで、ぼくたち予備校の人間に外注します
最近ですと、センター試験が終わり、私立大学の入試が始まりました。
解答解説の仕事の依頼が来ることもあります。ランサーズといったアウトソージングで検索してみると、業務が上がっていることもあります。
余談ですが、予備校が過去問の解説作成依頼をしてくることもあります。
自社で作ったことにしたいのでしょう。

 

ぼくはこれまでに大学入試、高校入試、中学入試全てにおいて入試問題を作りました。
その中でも一番大変だったのが、中学入試の算数です。
サンプルとして5年分程度の過去問を渡されます。そこから極端に難易度が逸脱しないようにして作らなければなりません。
基本的に大問1は計算問題、大問2は小問集合、大問3から大問6ぐらいが(1)から(3)と分かれている応用問題になります。
中学受験の向けの模試と同じ構造です。
あまり人気のない中学校の入試問題を作成するときのポイントは、中学からの数学にうまく順応できるかどうかを調べられる問題にするということです。
例えば、消去算。
消去算がキチンと解けるということは、中2の連立方程式でつまずかないということになります。

 

中学校が望むのは「京大や東大に受かることのできる可能性のある人間」です。
有名中学校や有名高校の生徒との競争で勝つことができる、数学に押しつぶされない人間を求めています。
中学校は「数学に通じる算数の理解ができていれば、数学もすんなり理解できるハズだ。6年間で詰め込めば、大学受験で勝負ができる。」と考えています。
ですので、中学校が調べたいのは、数学にうまく順応できるかどうかです。
算数での速さや割合のルールがしっかり理解できていれば、方程式の応用でつまずかないですし、相似が理解できていれば、中学数学の相似でも多くの授業コマを割かなくてもよくなります。
もちろん、大前提となる計算力は大切です。大問1の計算問題で分数小数の混ざった四則計算や逆算は出題し、計算力があるかは確認します。

 

それに対して大学入試の数学の問題作成は簡単です。
中学受験の問題と同じように、過去問から難易度を逸脱しないように問題を作らなければなりません。
ポイントとなるのは得点してもらいたい問題と、差がつく問題をしっかり分けるということです。
差がつく問題とは、重複組み合わせやベクトルの分点公式による問題です。

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「え?そんなん簡単やんwww」と思う方もいるでしょう。が、数学は数学というだけで拒否反応を示してしまう、難しく見えてしまう教科です。
簡単だと思う方は、自分が思っている以上にみんな数学ができないという事実があることに気づきましょう。
「サインシーターってなんやねん」って言っている高校生をよく見ませんか?
そうでなければ、センター数学の平均点はここまで低くならないでしょう。
中学受験に比べ、大学受験になるとしっかりしたモチーフがあるので、チャート式の問題の数字を変えたり、複数の問題を組み合わせたりするだけです。

 

これらはあくまでぼくのような予備校や塾の人間に入試問題作成を依頼してくる学校のみの話です。
有名な学校、人気校ではそうはいきません。
しかし、滑り止め校を考えるときには参考になるのではないでしょうか?
気になる点やご質問などがございましたら、是非コメントしてください。

 

 

いかがでしたか?
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