educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

学力と偏差値は異なる

「スマホによって子どもの学力が下がった」
「父親が単身赴任している子どもの学力は高い」
などなど。

 

学力という言葉が簡単に使われていますが、問題視されている「学力」という言葉はほぼ「偏差値」という言葉に言い換えられます
偏差値は1970年ごろから受験業界で使われ始めた数値です。受験業界の言葉ですので、「スマホによって偏差値が下がった」「偏差値低下論争」とかしても盛り上がりませんよね。そこで、偏差値という言葉ではなく、広義としての「学力」という言葉が使われるようになりました。
「日本の学力が危ない」こっちの方がインパクトありますよね。

 

学力とは「学ぶ力」であり、偏差値はあくまで学力の一つでしかありません
偏差値、思考力、観察力、経験、よく見る力などなど。学力には偏差値のように測れるものもあれば、測れないものもあります。
例えば、何度も練習して習得した落ちるフォークが投げられるというスキルは学力にあたると思いませんか

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確かに、偏差値は下がったかもしれませんし、モラルも低下しているかもしれません。
しかし、その分、成長した部分もあります。
日本は世界2位の経済大国になった成功体験が強烈すぎて、過去と比較をしすぎています。
はっきり言ってIT分野では中国に100%勝てませんし、今の教育方法だとAppleやAmazonのようなイノベーションは起こせません。
伸びた部分に目を向けるのではなく、失った部分に目を向けがちです。
伸びた部分に目を向けましょう。
インターネットのおかげで情報が民主化し、所得に関わらず、エンタメを楽しめるようになりましたし、どこにいても高品質で低価格で商品が手に入るようになりました。

 

偏差値の本質は暗記力です。
数学も基本的な解法を暗記して、必要に応じて頭から引っ張り出せるかです。
国公立大学の2次試験といった難しい問題になると、複数の基本解法の組み合わせになり、何を使えばいいのかが見えにくくなっています。
答えまでのレシピがわかってしまったら簡単になりますので、そのレシピを「考えよう」という思考方法になります。
本当の思考問題とは、具体的にはこんな問題です。

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つまり、「どのように補助線を入れることができるか」です。
この問題を解ける方は多いと思いますが、それはこう補助線を引いたら求められると「知っているから」であり、初見でこのアイデアを出せる方は少ないでしょう。
この問題に補助線を引けるのは、知識だけではなく、思考力・観察力・行動力でしょうか?言葉にすると低次元なものになってしまいます。
広い意味での学力が必要です。

 

受験で合格を手に入れるためには偏差値は必要ですが、社会に出て必要なのは学力です。
偏差値だけに捉われずに、学力にも目を向けてみましょう。
偏差値は教育が持つコンテンツとトレーニングという2つの要素から成り立ちます。
コンテンツ:数学や理科など、教科内容理解できる知識
トレーニング:1つの課題に長時間向き合える集中力や、解法を覚えるために自分にとって最適化された方法を見つけ出す能力など、学習訓練
コンテンツは役に立たないかもしれませんが、トレーニングの方は学力に深く繋がります。
教科指導程度の答えのある問題でさえ、長時間考えられないのであれば、地球環境の問題や貧困問題といった課題を解決できることはありません。
「学校の勉強なんて社会に出てから役に立たない」という発言はコンテンツにのみ当てはまるテキストであり、トレーニングは役に立ちます。

 

複雑な本を読めることも、フォークを投げれることも、料理が得意なことも、学力です。
学びのポイントはどこにでもあります。学びにできるかは自分次第です。
偏差値や得点ばかりに目を向けるのではなく、目に見えない学力も大事にしましょう。

 

 

いかがでしたか?
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