educationsalonの日記

Education Salon

教育についての記事。教育現場のあまり知られていない情報をあげています。

教員採用試験に通った先生ほど学ばなくなる構造になっている

公立学校の先生はざっくり3つに分かれます。

・教諭(専任)
教員採用試験という公務員試験に通った先生です。

 

・常勤講師
基本的には教諭と同じ業務ですが、教員採用試験に合格していない先生です。教諭とは給与形態が教諭と異なり、1年契約となることが多いです。

 

・非常勤講師
授業コマのみ行う先生です。

 

簡単に言うと、
教諭が正社員、常勤講師が契約社員、非常勤講師がアルバイトというイメージですね。
教諭と常勤講師は、公務員という終身雇用の形態と、1年ごとの契約という雇用形態の違いがあります。
常勤講師は、教諭になれなかった方(つまり教員採用試験合格できなかった方)が、「それでも先生になりたい」と修行のためにつくポジションになることが多いです。
教員採用試験は年に1回しかありませんし、中学校や高等学校になると、社会や体育は通りにくく、理科や数学は通りやすいなど、教科によって倍率も大きく変わります。

 

近年、教員は「ブラック労働」や「定額働かせ放題」と言われるほどで、年々人気がなくなってきています。特に都心部の教員の人気不足は現代の問題の一つにもなっています。今はどこの企業も人手が足りていませんから、2010年頃と異なり、大学生は「企業を選ぶ側」になっています。
そんな状況で、きついと言われている教員になる方は、学校の先生になりたいという強い意志のある方でしょう。

 

教員採用試験に合格できなかった常勤講師の方は、部活動や担任の仕事をしながら、「次こそは」と試験に向けて、教員採用試験の勉強を行います。
ブラック労働と言われるほどに忙しい環境の中で、自分の勉強を進めることは大変でしょう。
収入の不安定さを含めた厳しい環境が、個人を成長させることになります

 

それに対して教員採用試験を通ってしまうと、公務員になるので、よっぽどのことがない限りクビにはなりません。
合格したことで、「子どもたちのためにもっとガンバル!」とさらなる成長を求める先生もいれば、「これで安定やー。」と成長を止める先生もいるでしょう。
ここに公務員の罠があります。
公務員ですので、成長を止めてもクビにはなりませんし、仕事を頑張っている先生も頑張っていない先生も給料は変わりません。また、「あと〇〇年で定年かー」とそこからのキャリアもある程度決まってしまいます。

 

給与は仕事のモチベーションの一つです。
いい仕事をすれば、給与が伸びて、それがさらなる仕事へのモチベーションになります。しかし、仕事の成果ではなく勤続年数による昇給でしたら、教員採用試験に一度通ってしまうと、いい仕事をしなくても自分の時間を投資し続けるだけで昇給していきます。競争原理が機能していません
仕事を頑張っても、頑張らなくても同じ成長曲線なのでしたら、頑張る理由はありません。ある程度の仕事ぶりで、プライベートを充実させる方が自己実現できるかもしれません。
ですので、通ってしまった方が成長を求めなくなるのは、制度上自然なことでもあります

 

「ここでいいや」と思った瞬間に人間の成長は止まります。
これは学校や公務員だけの話ではありません。予備校であってもそうです。
集団になると2:6:2の法則が見られます。
(2:6:2の法則とは)

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駿台であっても、河合塾であっても、勤続年数でポジションをとっている方はいます。ぼくはそんな方の座っている椅子を奪いたいと思っています。

 

これは公務員という雇用の制度上の話ですので、教員採用試験に通っても「子どもたちのためにもっとガンバル!」と考えている熱量のある先生はたくさんいます
むしろそうした人に支えられているのが現状でしょう。
世界の超富裕層26人が、世界人口の半分の総資産と同額の富を独占している状況みたいですね。
(参考:https://www.afpbb.com/articles/-/3207339
そういった先生に出会えるかは運です。すでに出会った人はその縁を大切にしましょう。

 

 

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